外壁は年月が経つにつれて様々な劣化症状を表します。
その中でもひび割れや浮きが発生していたら、とても不安に感じると思います。
ひび割れや浮きの発生原因や補修方法は、外壁材によって異なります。
この記事では、外壁材ごとのひび割れ、浮きの発生原因と補修方法について詳しく解説します。
サイディング外壁とは、壁の広さに合わせてサイディングボードをカットし、壁に沿って貼り合わせ、繋ぎ目を埋めて作られる外壁です。
現在、住宅に用いられている外壁材の約8割が窯業系サイディング外壁と言われています。
コスパが良く、品質が安定しており、デザインのバリエーションも豊富なので人気が高いです。
サイディング外壁は釘やビス、または金具によって固定されています。
年月が経って変形し、固定された部分に力が加わるとひび割れ(クラック)が発生します。
力とは、地震などの揺れ、大型車による揺れなどがあげられます。
釘やビス、金具の固定力が弱い場合は、釘やビスが抜けたり、金具が外れてしまうケースもあります。
そうなると風や揺れによってサイディングボードが落下する事も考えられます。
サイディングが浮く原因は、防水性が落ちて水分を吸収する事があげられます。
特に窯業系サイディングは吸水性が高い特性があります。
外壁表面に施してある塗装は年月が経つにつれて効果が弱まり、防水性が徐々に低下します。
するとサイディングボードが雨水や湿気を吸水し、膨れ上がります。
その後、晴れて日光や気温の上昇により乾燥し、水分が蒸発すると縮みます。
このように収縮する事によってサイディングボードが浮いてくるのです。
定期的に塗装工事をしておくと、塗装の防水性を維持する事ができ、浮きのリスクを低下できます。
目安は約10年に1度がいいでしょう。
ひび割れにも種類があり、髪の毛ほどの細いひび割れはヘアークラックといいます。
ヘアークラックの場合はコーキング材を注入してひび割れを埋め、外壁塗装をすればOKです。
2mm以上の大きなひび割れは、状況によってVカット工法でひび割れを埋めます。
中で空洞が出来てしまわないよう、V型の歯を付けたサンダーで削って一旦ひび割れを広げ、コーキング材が奥まで届くようにします。
U型の歯を付けたサンダーで削るUカット工法で補修する場合もあります。
Vカット、またはUカット後はプライマー(下塗り材)を塗布し、コーキング材を注入。
ヘラで奥まで押し込みつつ平に均します。
隙間がしっかり埋まったら塗装をして補修部分をカバーします。
浮きや歪みが小さい場合は下地まで傷んでいない事が多い為、そのまま釘やビスで固定します。
大きく歪んでいる場合は下地が傷んでいるので、サイディングの張り替えが必要な可能性があります。
張り替えは、一度周辺のサイディングを剥がし、新しいサイディングを張っていきます。
この場合は一部のサイディングと、既存のサイディングとの差が際立つので、気になる場合は全てのサイディングを張り替える事をオススメします。
「サイディング張替え・カバー工事」については、こちらのページです。
モルタル外壁とは、水・セメント・砂を混ぜ合わせて作られた外壁です。
質感が良く、味わい深い仕上がりになるので自分好みの外壁にする事ができます。
主成分がセメントなので、丈夫な外壁とのイメージを持たれやすいですが、防水性が低くひび割れやすいという特性もあります。
先述したように、モルタル外壁はひび割れが起こりやすい外壁です。
その原因は大きく分けて3つあります。
1つ目はモルタル自体の乾燥です。
モルタル外壁は築2~3年のお住まいであっても乾燥で収縮し、細かなひび割れが発生する事があります。
ただ、このひび割れは緊急性は低いのですぐに補修が必要、というわけではありません。
とは言え、年数を重ねるごとにひび割れが広がるので、外観を綺麗に保ちたい場合は塗装メンテナンスをしましょう。
2つ目は紫外線や雨風による経年劣化です。
これらのダメージにより、モルタルの防水性が徐々に低下します。
すると水分を吸収して膨張、乾燥して収縮を繰り返し、ひび割れが発生します。
3つ目は地震の揺れなどの自然災害です。
建物自体が大きく揺れると力に耐えられず、ひび割れが起こる場合があります。
ひび割れをそのままの状態にし、また地震がくると更にひび割れが入るので、早めの対処が必要です。
モルタル外壁は長年に渡って雨風にさらされると、モルタルや塗装の付着力が低下し、剥がれてしまう事があります。
剥がれると外壁を保護する役割を失ってしまいます。
下地が露出したまま放置すると、外壁だけでなくお住まい全体の寿命を縮める事になりかねません。
ひび割れの内部に補修剤が均等に行き渡るよう、ひび割れ箇所を専用の機材でカットします。
カットした中にプライマーという下塗り材を塗布し、乾燥するのを待ちます。
乾燥したらコーキング材を注入し、ヘラで奥まで行き届くよう押し込み、表面を平に均します。
補修後は跡が目立たないよう、塗装をして完了です。
まずは剥がれている部分をケレンで十分に除去します。
綺麗にした後、既存の塗膜と段差ができているのでモルタルで調整し、吹き付けなどで模様を合わせます。
跡が目立たないよう下塗り・中塗り・上塗りと塗装をして完了です。
タイル外壁は粘度、または無機質の原料を成形し、高温で焼き固めた建材です。
立体感があり、高級感や重厚感があるので人気の外壁材です。
タイル外壁は下地のモルタルや躯体コンクリートが温度変化で膨張・収縮を繰り返したり、乾燥して収縮する事でひび割れが生じます。
他にも、基礎の沈下や外壁の傾き、地震などの自然災害によってもひび割れが起こる事があります。
放置するとひび割れから建物内部に雨水が侵入し、タイルの剥離を引き起こす恐れがあるので、早めにメンテナンスをしましょう。
タイル外壁が浮く原因は、ひび割れの原因にもあげたように下地が膨張・収縮を繰り返す事で付着力が低下し、発生する事があります。
他にも地震による揺れや歪みによっても浮きが発生します。
タイルは1枚ずつ独立している為、タイルを取り外して新しいタイルを貼ります。
貼りかえるタイル周辺の目地部から電動カッターで切断し、清掃します。
下地とタイル面を調整し、タイルを貼り付けて硬化養生をします。
固まって動かなくなったのを確認したら目地材を充填し、完了です。
孔内にアンカーピンを挿入し、浮き部全体をアンカーピンと接着剤で固定する工法を行います。
浮いている箇所に穴を開け、内部にエボキシ樹脂などの接着剤を注入します。
タイル自体が大きく浮いていたり、剥がれ欠けている場合は、浮いているタイルを一度剥がし、接着用のモルタルで貼りなおします。
外壁の劣化症状によっては放置すると雨漏りに繋がる恐れがあるものもあります。
ひび割れ、浮き、剥がれが見られたら放置せず、お早目にご相談ください。
「どんな工事が必要か」「いくらかかるかだけでも知りたい」など、どんなお問合せにも親切・丁寧に対応します。
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